「それでは、鍵盤をすべて取り外してみましょう!」
調律師さんのひとことに、みなさんとてもおどろきました。
「えー?だいじょうぶなの!?」
ひとつひとつ、手渡しで1人1本(1鍵盤?)手渡されます。
みるみるうちに、鍵盤が外されていきます。
どんどん、どんどん……
まるでバーゲンセールのように、みなさん鍵盤にあつまります(笑)
「ぼくもぼくも!」
「わたしも!」
調律師さん「みなさん、いきわたりましたかー?」
先生も興味津々です!
「長い年月生徒さんを教えてきましたが…… 実際にピアノの鍵盤1本1本を見るのは、今回がはじめて!」
大事なピアノが、どんどん分解されていく姿を見て
「本当に元にもどるのかな?」と、
ちょっとハラハラドキドキしました(笑)
※もちろんプロの調理師さんが立ち会われているので、ちゃんと元にもどります
いつも見ている、弾いているのは白い部分だけなので、 思った以上に長い鍵盤におどろきを隠せません。
「白い鍵盤の先が、こんなに長かったなんて!」
つきそいの保護者さんも、はじめて見るピアノに熱中していました!
最後は、調律師さんに教えていただきながら、鍵盤をもとの場所に戻していきます。
場所を間違えると、大変なことになるので、みなさん緊張しています。
最後の1本を戻し、ぶじに元にもどりました。
先ほど分解したハンマーをもとに戻しつつ……
ここで、ピアノのハンマーのお勉強です。
ふたつのハンマーですが、何やら違いが……
よく見ると、大きさが違いますね。
ピアノの音は、ハンマーの微妙な大きさの違いで出ているようです。
そのため、鍵盤すべてのハンマーの大きさは違います。
※番号が振られています。
さて、分解したピアノを復元していきます。
復元の途中で、調律師さんがあえて正しくない音に調整してみました。
「ヘンな音ー!」
生徒さん皆さんが、首をかしげていました。
正しい音が出るピアノが当たり前ですが、実は調律師さんが見えないところで、ピアノのメンテナンスをしてくださっているおかげなんですね。
さらに、ピアノの疑問など、生徒さんから質問がたくさん寄せられました。
そのひとつひとつを、丁寧に答えてくださいました。
「ピアノって、いつからあるんですか?」
「ピアノって、どうして88鍵なの?」
「低い音と高い音で鍵盤のタッチが違うのは、なぜですか?」
みなさん、とても勉強になりましたね!
最後に、ペダルの勉強をして、分解ショーは終了です。
最後は、生徒さん皆さんにお土産です。
ピアノの部品のひとつ、ハンマーキーホルダーです。
(実際のピアノに使われている、本物のハンマーですよ!)
実はハンマーの白い部分、羊毛でできているんです!
機械ではなく、「自然素材のあつまり」で音を出すピアノだからこそ、人々の心に響くのかもしれません。
いつの時代も、どんな時も、ピアノは変わらぬ音色で人の心に語り掛けます。
「何番のハンマーをもらいましたか?」
「28番でした!」
さっそく、レッスンバックに取り付けていました。
とってもオシャレなキーホルダーですね!
最後になりますが、今回は生徒さん皆さんにピアノの仕組みを学んでもらいました。
ピアノは指先で鍵盤をタッチした感覚がダイレクトに伝わり、音色となり、人の耳に伝わります。
ピアノの構造を知る学習効果として、タッチの加減(強弱)を身に付け、より多彩な表現力の演出に繋げる狙いがあります。
さらにピアノの知識を増やすことで、親しみを持ち、より音楽を好きになってもらうきっかけになればと思い開催しました。
生徒さんが大きくなった時に、ふとピアノの構造を思い出すと、そこに演奏の大きなヒントがあるかもしれません。
そんな宝物のような経験になってくれればうれしく思います。